「深山には 霰降るらし 外山なる まさきの葛 色づきにけり」
神楽歌 神迎え 庭燎 より
雅楽、というと、笙、篳篥、龍笛などの器楽合奏を思い浮かべますが、実はそこには平安の王朝文化の中で育まれた歌謡も含まれています。
後白河法皇が愛した今様も、音楽的なルーツはその辺りにあります。
古代から連綿と宮中祭祀の中で受け継がれてきた、神楽歌の旋律、和琴のしらべ…。
神楽歌は、間違いなく日本の歌の最も古いかたちを伝えるもののひとつです。
また、漢詩に節をつけた朗詠、地方の民謡であった催馬楽などは、当時の貴族の教養でもあり流行歌でもありました。
そこには王朝文化に秘されてきた古代の香り豊かな音世界があります。
日本文化の古層を伝える古代歌謡の世界を、現代に生きる私たちの感性に繋げることができるよう、工夫を凝らして皆様にお届けいたします。
演奏会の前半では古代歌謡を和琴のしらべと共にお聞きいただき、後半では笙、龍笛による唐楽の演奏も予定しております。
夏の終わり、秋の足音の近づいてくる季節の変わり目に雅やかな王朝文化の響きに触れてみてはいかがでしょうか。
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日時:2015年8月29日(土)19:00開場 19:30開演
参加費:前売 2,500円 当日 3,000円
演目:前半 神楽歌 阿知女作法 千歳 万歳 ほか 朗詠、催馬楽など(予定)
後半 唐楽 平調調子 林歌 ほか 即興演奏
お申し込み:受付 天田 office.tensei@gmail.com 090-7730-8068
まで、お名前とご連絡先、人数をお知らせください
ゲストプロフィール
歌・和琴・笛 中村香奈子
連綿と受け継がれてゆく呼吸、笛の音に導かれ雅楽と出会う。
笛の手ほどきを設楽正幸氏、赤尾三千子氏に、横笛・左舞をはじめ雅楽全般を芝祐靖氏(伶楽舎音楽監督)に、
古代歌謡、右舞を豊英秋氏(元宮内庁式部職楽部首席楽長)に師事。
尚美短期大学音楽学部作曲科、東京芸術大学邦楽科雅楽専攻卒業。
1996〜2005年まで雅楽演奏団体「伶楽舎」にて研鑽を積む。
現在、雅楽・横笛・正倉院復元楽器の演奏家として国内外の様々な場にて演奏活動を展開している。
「香風舎雅楽之会」代表。「雅楽」を主軸に、場との響きあい「かむながらの笛」をライフワークとしている。